リアル店舗のこれからのチャンス 3つのキーワードは?
5月17日(水)に、VMDコンサルタントとして活躍されている田尻尚美さんによる
「ビジュアルマーチャンダイジングセミナー2023」をStaff 清水が受講してまいりました。
このセミナーでは
・心を動かす新時代のVMDとは?
・海外リアル店舗の動向と展示会トレンド情報
という内容でレクチャーしていただきました。
2時間のセミナーで特に印象に残った3点を、私の気づきとともに共有したいと思います。
1. コラボレーションで生まれる効果
2.「α世代」
3. アフターコロナの海外と日本
1.コラボレーションで生まれる効果
近年の傾向として、「他業種とのコラボレーション」が多く見られるそうです。
自社とは分野の異なる業種との意外な組み合わせが、話題性や新規顧客への認知度を高めたり、商品の機能性を向上させる効果を生むとのこと。
「商品やサービスを視覚的に訴求する」というVMDの効果をさらに高めるカギとなりそうです。
具体例として、セミナーでは「陶磁器会社」と「ハウスメーカー」とのコラボレーションが紹介されていました。2社が協働することで、陶磁器会社としては食器の使い方の提案ができ、ハウスメーカーとしては暮らしのイメージを具体的に表現できます。
どちらかだけではビジュアル化しづらいことも、2つが組み合わさることでそれぞれの良さを高め合えるというわかりやすい例でした。
また、他の業種のフィルターを通してみることで、会社内では当たり前すぎて気づかなかった専門的な内容がもっとわかりやすくなったり、思いがけない活用法が見つかったりするかもしれない、と思いました。
弊社はファッションやデザインを得意としたブランディング会社。
例えばデザイン・ファッションの分野とこれまで関わりのなかった方とのコラボレートしたらどんな化学反応が起きるだろう、と想像が膨らみました。
2. 「α世代」
ミレニアル世代やZ世代というキーワードに新しさを感じていましたが、時代は次なる段階に進んでいました。
2010年代序盤以降に生まれた「α世代」。日本では小学生以下の世代(2023年6月現在)にあたります。
コロナ禍を幼いうちに経験し、デジタル機器との生活が当たり前という世代。
まだ子どもながら、親世代よりも新しい生活様式への順応が早く、デジタル機器の操作もお手のもの。この世代に教わることも多いのではないでしょうか。
ラグジュアリーブランドのLouis Vuittonでは、幼い子どもも一緒に参加できる体験型イベントを開催し、α世代も巻き込んでいるそうです。
「お客様」や「生活者」というキーワードを出す時には、これからを担う世代も含まれていることを視野に入れておかなくては、と気がつきました。
3. アフターコロナの海外と日本
猛威を振るった感染症が、日本でも海外でも終息してきました。
ロックダウンから解き放たれた気持ちの表れなのか、PANTONE®︎社が毎年発表するカラートレンドも、2023年はポジティブで力強い「ビバ・マゼンタ」が選ばれたそうです。
田尻さんが視察をされたNYやLA、ロンドン、パリでは百貨店の店頭やショーウインドウにも反映されていたようで、明るい未来を感じる、ワクワクする写真をたくさん見せていただきました。
ちなみに日本流行色協会が発表した、2023年のムードを象徴する色は「ルミナスイエロー」。日本はまだマスク着用を選ぶ人も多く、欧米のように解放感を爆発させるような雰囲気ではない。そんな人々の気分を察したような、穏やかながらポジティブなカラーが選択されているようです。
コロナ禍での対応もさながら、アフターコロナの風潮やトレンドにも、お国柄がはっきり出ているのですね。
近ごろ、大きな会場での展示会やイベントがコロナ前のように行われるようになってきました。
海外の様子も参考にしつつ、日本の風土に合わせたアレンジをしていくと良いと思いました。
リアル店舗での買い物や展示会の機会が増えてくるこれから。
学んだことを早速反映させて、店頭や会場のVMDなどから、明るい未来を作り上げていきたいと前向きな気持ちになれるセミナーでした。
LAGOON 清水