コンセプトを考えるための「競合」の捉え方
今回は競合分析から考えるコンセプトをつくるということを考えてみようと思います。
コンセプトのおさらいです。
コンセプトとは新しい常識のこと。企業のビジョン達成のための目指したくなる言葉のことを指します。
コンセプトを世の中に打ち出すときにできることとして、顧客に伝わる(伝えるではなく)ために比較をするということができます。
よく競合分析をしましょうということを耳にすることがあると思います。
競合分析をなぜするか?
それは「自社にとってのチャンスを見つける為」です。
『顧客が困っているのに、誰もしていないこと』を見つけるために実行をしていきます。また、自分たちの立ち位置が明確になるというメリットもあります。
では、競合分析はどのように実行するのか?
同一カテゴリ
代替え商品
代替え時間
この3つの、不に着目をします。
競合と比較したコンセプトでわかりやすい事例を考えてみました。
先シーズンの冬に非常に売れた「まるでこたつソックス」という商品があります。この商品は足が冷える女性に向けた靴下です。この企画をした人の気持ちになって考えると、当時以下のような競合が考えられたのではないでしょうか?
ターゲットは、冷え性を抱える女性
同一カテゴリ競合:カプサイシン配合のソックス、暖かパイルetc
代替え商品競合:もこもこスリッパ、スノーブーツ
代替え時間競合:コタツ、マッサージ、ホッカイロ、電気毛布etc
同一カテゴリ競合は、皆さん分析されていると思います。
同じ商品を出しても価格勝負になるだけなので、ないものを探すことは一般的に皆さんできていると思います。
代替え商品競合のポイントは、購入者の目的達成です。
冷え性の解消は靴下でなくともシーンによって解決できることがあります。
たとえばもこもこのスリッパなんかは履いてるうちはとても暖かいです。
不に着目すると、ソファーには汚いので結局脱ぐ。のようなものが挙げられます。
代替え時間競合のポイントは、購入者の目的達成に加え、時間と言う視点が加わります。同じ時間を奪い合うという意味です。
冷え性の解消という意味では、例えばコタツに入っている間は解消されますよね。不に着目すると、こたつから出た途端にまた冷えるということが挙げられると思います。
ここでまた当時の担当さんの気持ちになってプレゼンすると、
まるでこたつソックス(コンセプト)は、
他と比べて効きそうな感じをネーミングでも演出(同一カテゴリ)、
履くだけ簡単で洗えて清潔(代替え商品)、
ずっと履いていられて効果も高い(代替え時間)
「困っているのに、誰もしていないこと」として企画が通り、売れる根拠として提案できたのではないかと推測します。
※実際にはもともと違う名前『三陰交をあたためるソックス』で販売しており、効果は実証されているものの伝わっていなかった、という背景があります。売り上げは17倍になりました。
売れた商品も先ほどの3つに分解してみると納得できることが出てきますね。2つめまでは実行されている企業さんも多いかもしれません。3つ目もやってみることで、見えてくるキーワードもあるかと思います。
また、コンセプトをつくる時の練習方法として、今売れているものを上記の3つに分解してみる。そしてそれを自社の商品に当てはめてみる。
ということもお勧めしております。
競合分析は分析して満足するだけでなく、伝わる形(言葉やデザイン、コンテンツ)にするまでやって初めて威力を発揮します。
みなさんもぜひトライしてみて下さい!