世界観をつくる=コンセプトを五感へデザインする
前回は、ストーリーを届きやすくするための
商品のネーミングについてお話ししました。
今回はその続きとして、
「世界観をつくる=コンセプトを五感へデザインする」について共有します。
ブランドの世界観は、ロゴやグラフィックデザインを
きれいに揃えることではありません。
これまで積み上げてきたミッション・ビジョン・商品コンセプト・
強み・顧客インサイトなどの情報を、届けたい相手に向かって、
ブレなく伝えるための設計をすることです。
デザインとは
分離・除去を意味する「De」と、
記すを意味する「Sign」から生まれた言葉です。
その言葉の通り多くの情報を集めた後に
絞り、だれに、なにを、どう伝えたいのかを
五感にまとめ「伝わる」ようにすることが必要です。
ポイントは一貫性。
商品、ネーミング、ロゴ、WEBサイト、文章、SNS、
パッケージ、店舗、接客、スタッフの振る舞いまで、
顧客が触れるあらゆるタッチポイントで、
同じ価値・同じ空気感・同じスタンスが感じられるか。
これができているブランドは、説明しなくても「らしさ」が伝わります。

逆に一つでもコンセプトからズレると、小さな違和感が生まれます。
たとえば極端な例ですが、「丁寧で余白のある暮らし」を掲げているのに、
SNSでは煽り文句が多かったり、ECサイトが価格訴求だらけだったりすると、
受け手の中でイメージが分裂しますよね。
顧客は混乱し、「結局、何のブランドなの?」という状態になります。
ブランディングは伝言ゲームに似ています。
意図とズレた伝わり方が起きないように、設計と管理が必要なのです。
世界観づくりで大切なのは、新しいアイデアを考えることではありません。
すでに仕込んできた
・なぜこの事業をやるのか
・誰のどんな不や快を解決したいのか
・どんな価値で勝つのか
それらを「五感」に翻訳し、どこで出会っても同じ体験になるよう整えること。
ブランドの世界観は、
コンセプト(価値の設計図)を、5感を通じた体験に変換した結果
とも言えます。
言葉で終わらせず、体験として届いているか。
ぜひ一度、自社のブランドを「顧客の立場になって確認してみてください。
そこにブレがなければ、ブランドは確実に育っていきます。
次回は、「ブランドの運営・管理 発信編」についてお届けします。
リソースが少ない中で認知→ファンになってもらうまでの
様々な選択肢をどう判断していくか?をお届けいたします。
ついに第10回です。10回でシリーズ連載はおしまいにする予定でしたが、
まとめきれなさそうですので11回の「ブランドの運営・管理 管理編」
にてシリーズとしては終わりになります。
いつもお付き合いいただきありがとうございます!

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