第4回 クリエイティブディレクターの仕事『再定義』
第4回
クリエイティブディレクターの仕事『再定義』
今回のパンデミックアフターのビジネスを支えるためにデザイナーは一歩ステップアップしなくてはなりません。予想されるこの大きな荒波をのり越えるためにはCEOの強い意志と行動が重要なことは間違いありません。これに加え、モノ・コトがすでに飽和している日本社会では、これからの生活者、企にふさわしい、【新スタイル】を提案していく必要があります。DEOが必要となってまいります。DEOとはDesign Executive officerのことで、感性的側面・デザイン思考的側面を提唱する経営責任者の必要性です。
その活動は
①情報収集
時代の旬を捉える、センス的な情報(定性情報)に加えて、価格、流通、用途・機能などロジック的情報(定量情報)
②分析に加えて、選択と集中。
この上記二つの質の異なる情報から、現在の問題を抽出しテーマを絞り込みます。この時、今のアフターコロナの新社会に対応するために、これまでのデザイン思考からアート思考への移行も視野に入れる必要があります。
③『伝える企画』と『伝わるデザイン』
社内・外の関係者に伝えるためにその方向性のイメージを視覚化します。また、キャッチコピーやスローガンなど言語化も重要です。『伝える企画』はビジネス顧客へのメッセージだけではなく、共に業務を遂行する外部クリエイタースタッフ達との共有化もこれから、ますます重要となります。このことを背景に『伝わるデザイン』が実行されます。この伝わるデザインを理解し、発展させるのがDEOの重要な役目となります。
④実行の継続は反復とは異なる。
DEOは進行を俯瞰して見守ります。
継続のためのエネルギーを常に抽入します。
継続は同じことを繰り返す、反復ではありません。
常に【新】の要素が求められます。
ここが重要なDEO活動になります。そこに【新】があるか?
【ニュートンのゆりかご】
⑤PDCA
この活動が感性を意識した上昇スパイラルを創り上げます。この時、外部のパートナークリエイター達の存在も大きな力となります。
⑥育て育てられ・・・共育!
デザイナーはその域を超えて、クリエイティブディレクターやアートディレクターの概念を持ち、そこを目指し、その後のDEO活動へと知識&知恵力の拡大が必要となります。
そう、DEOには【マーケティング力】が必要となってきます。
次回5回は、【まだまだ重要な『デザイン経営』】をテーマに中小企業のオーナーへ、これからのクリエイター活躍できる環境整備について、語りたいと思います。
《 雑記 》
2020のゴールデンウィークは講義の新資料作りに明け暮れました(進行形ですが・・・)それは、①遠隔授業になっていることと、②これからの(つまりアフターパンデミック後に活動する)現役学生に『これまでの延長に未来は無いと思いなさい』を挿入するためです。
『これまでの何か』を置き換えるのではなく、新しい価値観、意味、物語の創出が必須になると考えます。DEOの前にディレクターの必要が今の免疫防護機器不足と同じように思えて仕方がありません。
これって、私だけ?