消齢化社会から読み解く未来とは?
2021年、平均年齢が50.5歳
2022年、100歳以上が90,526人
2025年、3人に1人が65歳以上
この衝撃的な数字で進行している日本の少子高齢化。
消齢化社会という言葉から、一見ネガティブに見える事象も、実はチャンスなのでは?
という発想の転換をすることで、新しい商品を生み出していくヒントになります。
消齢化社会とは、生活者の意識や好み、価値観などについて
年齢による違いが小さくなる現象「消齢化」が進んでいる社会。
生活者の定点観測を1992年から続けている博報堂生活総合研究所による、
エビデンスをもとに年齢によって大きかった価値観や嗜好の違いが
小さくなっているという事実があることが発見され、
消齢化社会と名付けたそうです。
例えばハンバーグが好きだという同じ質問を30年し続けた結果、
以前は年代で開きのあった解答が、狭くなっている。
など、詳しくは本を読んでいただきたいのですが
たしかに狭まっている感覚を数値で確認することができます。
このことが意味することは今まで「30代働く女性」など属性で分けていた、
デモグラフィックマーケティングに大きな変換が迫られているということ。
たしかに、ファッション業界で売れているスタジオクリップやニコアンドなど
アダストリアさんが展開するブランドは親子で購入されていますし、
リンネルという雑誌は20代から60代まで幅広く購買層がおり、
言われてみると納得です。
最近のビールのCMには以前より女性が多く出ています。
個人的には、「お疲れ生です」のCMが好きでして、
プハー!と男性サラリーマンが登場するCMではない落ち着いた感じが、
これまでも存在していた女性消費者にも目が当てられるようになってきた変化に
つながっているのではないかと思いました。
本書に出てくる、クリエイティブディレクターの辻愛紗子さんが書いていた
「光の当て方が変わり一人一人の価値観が見える化されてきた社会」
という言葉が響きました。
すべての価値観が消齢化社会に当てはまるわけではありませんが、
最近の60代は若い気がする。で済ませるのではなく、
世代を超えた同じ価値観の共有されたマーケットがあると捉え
エビデンスをもって語れることで、
新しい価値を創る一歩になるのではないでしょうか。
ぜひ読んでみていただければと思います。
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