2017年ファッションマーケティングキーワード 

Planning Office LAGOON 淺野 健一の独断と偏見のアラカルト編

2017年1月元旦

2017年の予想の前に 昨年2016年のレポートの振り返りは

下記の1~10のメインテーマとそれぞれに②~③のサブテーマでした。

2016年ファッションレポートの記事はこちら

 

Ⅰ マーケット拡大 キーワード

1、ITとAI(人工知能)の進化

① ウェアラブルデバイス

② 『データーは新しい石油』

③ ロケーションフリー

2、グローバル

① 中国の景気動向

② 国内の縫製工場

③ インバウンド特需

3、高齢化

① 富裕層と下流層の二極化

② シニア化する、Hanako族

③ 少子化でも

Ⅱ マーケット対応 キーワード

4、女性の社会進出

①「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」

② 子育てと仕事の両立「次世代育成支援対策推進法」

5、二極化社会

① 増える生活保護者

② ITの普及が差別化を拡大する

③ 勝ち組 団塊ジュニアへ

6、コンプライアンス

① コンプライアンス(法令順守)

② ブラック企業

③ CSR (Corporate Social Responsibility企業の社会的責任)

CSV(Creating Shared Value 共通価値の創造)

Ⅲ ファッションビジネス キーワード

7、専門化

① ライフスタイルショップの拡大?

② 拘りの単品商品の創造

③ 価格の見直し

8、ECの拡大

① ネットとリアル店舗の融合化が加速

② ショップスタッフのメディア化

9、トレンド不在の時代

① デジタル化による多様な情報源

② 原点回帰の語れる商品開発

10、ブランド化

① 日本製の拡大

② ブランドは心の中で創られ、育まれる。

 

 

昨年 一年は中国からの爆買いも高級品から安心・安全の日本製の日常品へその購入スタイルが予想通り変わりました。英国はEUを離脱し、トランプさんが次期大統領へ。TPPは本当に無くなるのでしょうか。この二件はびっくり!オリンピックは終わり、中東は荒れたままで移民活動は今も途絶えません。中国は南沙諸島を我が物顔に拡大し、(世界の反感を背景にAIIBはどうなるのでしょうかね?)ロシアは北方領土を返してくれない。ポケモンGOがブームになり、SNSの世界からピコ太郎も登場しました。

 

さて、今年2017年 とり年は昨年の10のキーワードを

基に幾つかの新キーワードを加えました。

 

Ⅰ マーケット拡大 キーワード

1、ITとAI(人工知能)の進化

① AIの本格化による 第4の革命のスタート元年?

言い換えると、『ポストスマホ元年となるか?』です。

パソコンや携帯電話・カメラが全てスマホに置き換わったようなタイミングが今年から来年位に来るかな?

御存じ第一の革命が昔々の農業革命。食の生産性が拡大し、人口増加に伴い人類が地球に拡散して行きます。次は1800年ころの英国の蒸気機関から始まった産業革命。繊維産業も大盛況でミシンの発明はアパレルビジネスを劇的に変えました。第三の革命が進行中の情報革命です。アルビントフラーのパワーシフトや大前研一の言うところの『見えない経済大陸』です。

今後ますます、AI=ロボットやドローンは拡大し、IBM、ワトソンの医療診断はドクターの診断より精確なようですし、VR(仮想実現)は宇宙飛行士やパイロットの訓練からゲームまで広がり、AR(拡張実現)はポケモンGOブームを創りました。音声認識端末の拡大はアマゾンエコーやアップルSiri。声でオーディオなどの家電を始動&可動させます。自動運転は今年位にきっと稼働し、アマゾンGOは買い物のスタイルを根本的に変えていきます。

3Dプリンターもこれまでの生産の有り方を覆します。年賀状は昔の木版画から理研科学のプリントゴッコへ。そして今PCと家庭のプリンターで印刷する時代へ移行しました。印刷物も小ロットは全て企業内で行えます。3Dプリンターの普及は様々な立体物の小ロット生産を可能とし、家庭や小さな工場で行うスタイルへ変って行くことが予想されます。自己表現の自由度は個人も企業も増します。これまでにないカスタムメイド市場の誕生を予感させます。

DIYからCIYへ。DIYはdo-it-yourself 個人で何かを作ったりする日曜大工から、CIYはCreating -it-yourselfになり、自分自身でも制作可能な(しかも小ロットで)時代への移行です。

もっと身近な所ではファイスブック・ツイッター・インスタグラム・ユーチューブなどのSNSの拡大は旅行・自己表現できる買い物・感動の食など感動体験ネタ披露型消費を拡大させます。

そして、グーグルのユーチューブの買収はこれまでの静止画像(つまり写真)から動画世界への移行を仕掛けています(SEO対策の要ですね)。

 

・アマゾンエコー(Amazon Echoのプロモーションビデオ)

https://weekly.ascii.jp/elem/000/000/350/350944/

・アマゾン GO (参加型ゲーム)

http://wired.jp/2016/12/07/amazon-go/

・AR(拡張実現)Augmented Realityアグメンティッド・リアリティ

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8B%A1%E5%BC%B5%E7%8F%BE%E5%AE%9F

・VR(仮想実現)virtual reality バーチャルリアリティ

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3

・ソフトバンクは昨年、これから来るであろうIoT(Internet of Things、モノのインターネット)時代の先取りするためにイギリス ARM 社を3兆3000億円での買収には驚きました。中国のアリババ株やガンホー(オンライン・エンターテイメント)株、スーパーセル株を売って現金が入ったとのことですが、これもすごいですね。

http://www3.nhk.or.jp/news/business_tokushu/2016_0720.html

http://gqjapan.jp/life/business/20160719/softbank-to-buy-arm

・これに限らず世界でも買収劇は盛んです。Google、Apple、Facebook、Amazonの買収一覧から見える現在と未来の戦略

http://smalistblog.com/2070

 

2、グローバル・・・今年はグローバルよりナショナルかも?それは、中国は言うに及ばず、英国、米国も本気? ロシアも。EUでもドイツ、イタリアが今年の選挙でこのトランプ現象が起きると、経済構造も再編への道を歩みかけるのでしょうか?まずはトランプさんの動き次第です。各誌様々な憶測がなされていますが、まさかクリントンさんが落選するとは思わなかった私には想像すら出来ません。ただ、円が安くなると、輸出の車(産業)は喜び、輸入の衣料(消費材物価)は悲しむことになります。

ファッションマーケティング的に気になることは越境EC。日本からの中国への進出は軒並み失敗してきましたが、海外から日本への買い物。『爆買い』の高級品から日常商品化へのシフトがありましたがこちらには有効です。越境ECではありませんが、ユニクロは中国でECを拡大中。アリババが仕掛けた、中国がネット買い物に狂う11月11日の独身の日、衣料部門No1だったそうです。凄いですね。

 

・11月11日の独身の日

http://thebridge.jp/2016/11/highlights-alibabas-global-shopping-festival-gala-show

 

3、高齢化

日本に眠る個人資産1700兆円の大半を握る高齢者。これまでなかなかその資産を消費に回さないと言われてきました。欧米のお金持ちのように日本にいる超お金持ち(シニアに限らず)がどんどん国内で消費を始めてくれれば相当な活性化が望めると思います。そのためにはシニアをワクワクさせる仕掛けやビジネス開発が必要です。一般的には豪華寝台列車 JR九州のななつ星に続く、JR東西各社が運行をことし開始することが話題ですが『人生の残り時間』の自覚をしていただき、もっと大きな消費をドンドンお願いいたします。それには感動を伴う時間消費型ビジネスの開発&提案が必要です。そこで、健康、医療分野にも用途・機能だけでなく、お洒落で文化的に快適な生活提案が新マーケットを創造します。

また、2015年にお一人様の単身世帯が3分の1を超えています。このことは高齢者に限らないのですが、核家族が進んだ日本で、高齢者はいずれ単身世代となる確率が大きいです。名古屋に今年開園するレゴランドは家を大切する大きな地方都市の地元名古屋嬢たちの三世代消費にどれだけアピールするかが発展のキーワードと思っているのは淺野だけでしょうか?隣に出来る参加型レジャー施設メーカーズピアはドウ何でしょうか?

 

Ⅱ マーケット対応 キーワード

4、女性の社会進出

16年の昨年は女性が大いに騒がれました。

男がこれまで出来なかったことを成し得る小池百合子東京都知事。これまでの既成概念を壊し始めています。防衛大臣 稲田朋美さんが日本を守り、民進党代表の蓮舫さんは英国や米国のようなポピュリズムの波を創る?ご本人は否定しているようです。残念ながらクリントンさんは落選しましたが、今年もこれまで以上に女性の社会進出が加速しそうで、そのための社会インフラ『保育園』などの充実や企業のワークライフバランスの見直しが実行されると予想します。

 

5、二極化社会

今年のキーワードはミレニアム世代の対応開始です。

16年は ① 増える生活保護者 ② ITの普及が差別化を拡大する

③ 勝ち組 団塊ジュニアへのアプローチを上げました。

今年はその②主役ミレニアム世代への対応が次世代の勝ち組への入り口になります。1981年から96年生まれで、16年に20才から35才の若者です。下記URL はアメリカでの報告レポートですがその中でも日本の若者との共通項が多く指摘されて、対応を急ぐ提言がされています。(ぜひご熟読下さい)この、生まれてからデジタル技術の発展と共に育ったミレニアム世代が自らの価値観とデジタル技術を組み合わせてこれまでの産業構造を覆すようなあたらしい事業を生み出していることは御承知の通りです。彼らの興味あるライフスタイルは一言で表現すれば自由でフラットな世界。高級品や見栄を張ったステイタス商品には興味を示さず、体験型消費志向にあり、仕事を通じてよりよい社会の実現に情熱を傾ける世代です。これからの10年から20年後の社会の主役を務める彼らへのアプローチ元年にすることが個人、会社として二極化社会勝ち組への分岐点と予想します。

 

・ミレニアム世代(公益法人 経済同友会 2016年8月4日レポート)

https://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2016/pdf/160804a.pdf

 

6、コンプライアンス

昨年の流行語大賞にも選ばれた「保育園落ちた日本死ね」の匿名ブログの一言はインパクトが有りました。評論家がごたごた言うより、早くて説得力があります。これもポピュリズムの波の拡大を予感させます。一億総活躍社会と言われても配偶者控除の壁103万円があり、働くママにとっては悩ましい一年になります。これが仮に150万円になる、1000円の人が6時間を週5日働く計算となります。これなら正社員を目指して欲しいと思うのはお母さんクリエイターを抱えるデザイン会社経営の私の思いです。それぞれ色々な事情があることは承知しています。働き方いろいろな時代です。

また、『ブラック企業が広告の最大手電通だったので大変』の件は残業不可の波を起こし、デザインの現場ではクリエイター不足を招いています。

 

Ⅲ ファッションビジネス キーワード

7、専門化

2016年の勝ち組ベストは旬ファッションの『しまむらと誕生10年のGUが月次売上二桁増を維持し健闘している』と二社を各誌が上げています。もう一つの話題がわが街名古屋の老舗松坂屋(今は大丸)の銀座店がテナント業へ(GINZA SIXギンザシックス)変身。デパート内にユニクロなどの国内外のファッションSPAブランド限らず、家電の誘致などなりふり構わない生き残り策です。苦しいのはGMSも同じ。12月開店の長久手イオンを年末にリサーチしました。流通各誌のレポートのように確かに専門店とイオンスタイルの境界線がはっきりしません。販売革新1月号の特集では「いろいろな業界の人がビックリするほど」の好調とか。「直営だと認識されないのがよいかもしれない」とも。どうも、社名を捨てる勇気に挑戦しMD力』で勝負に出た感じがします。サインは掲げてありますが床などは専門店との境はありません。

8、ECの拡大

BtoBのスーパーデリバリは業績を着実に伸ばし(中国へも)BtoCの楽天・アマゾン・ゾゾタウンの発展は御承知の通り。CtoCも確実に拡大しています。代表のヤフオクのパソコン対応からスマホ対応のメリカリは3500万ダウロード。1日50万件、年商100億円超えるところまで来ています。またCtoCとは言いにくい『作家さん達の手づくり作品的市場』の拡大もプロ市場を脅かしています。

海外に目を向けますと、中国アリババが仕掛ける11月11日の「独身の日」ギフト商戦にて衣料部門1位のユニクロは国内では現在5%のシャアー。これを目標の30%に上げるために有明の物流倉庫が可動し始めると一気に加速しそうです。『GU はお店で旬を探し、ユニクロはネットで簡単に機能服を入手』しかも、届け先を出張先のホテルへ。ここで下着、シャツなどを受け取り、PCと身一つでの身軽な出張スタイルになるかもしれませんね。

16年2月からのレベッカ・ミンコフ(ニューヨーク)から始まった

「See Now, Buy Now(みたらすぐ買える」は日本では数年前からの東京ガールズコレクションで騒がれていました。秋のコレクションではパリ、ミラノでは行われなかったようですが、トミーヒルフィガーやラルフローレンなど大御所も行い、今後も引き続き注目していく必要があります。SPA的ファストファッションへの対応策でもあるようです。

米国のアパレルEC 流通総額は16年718億ドル(7兆3000億円)が2019年には100億ドル(15兆円)を超えると予想されるそうです。アマゾンのファッションの売り上げは2015年の160億ドルから2020年には520億ドルになると推計され、2017年にアメリカ最大のデパートメーシーズを抜くと予想されています。日本ではファクトリエが在庫を持たずに小ロットで売り切る手法を展開中(星ヶ丘テラスにショールームがあります)ですが アメリカではブランドディスプラター(ブランド破壊者)と言われる、エバーレーンなどが新興勢力として拡大しているそうです。(日経ビジネス2016年10月号)

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/092900020/100300006/

9、トレンド不在の時代 10、ブランド化

昨年の「ノームコア(究極の普通)」「エフォートレス(無理が無く、肩ひじを張らない)」の流れは継続中です。満たされた日本の消費社会で「もう欲しいモノは別にないような・・・」物欲レスの今、モノより[こと]へのシフトは加速し、ポートランドスタイルの代表される、手作り、温かみのあるライフスタイルショップの拡大は確実です。その中でのビジネス展開を考える時、コラボレイションによる新共創。特に食のファッション化が注目。名古屋を発祥の地とするビレッジバンガードも『ビレッジバンガードダイナー』を長久手イオンの1階で展開していました。弊社もファッショントレンドレポートを年2回秋冬と春夏編を25年に渡り創っています。確かに『傾向』はマスファッションの企画には欠かせません。しかし、ここに〈コンセプト〉を大切に生活のセンスアップで勝負する個性派ブランドが注目され、ファッション紙もライフスタイルマガジン化へ変貌しています。これまでのファッション紙はアメリカやイタリアの『ヴォーグ誌』から2013年日本語版が創刊された食を扱う『キンフォーク』へと変わってきています。ストイックな美意識と共に意味のある生活やカジュアルで良く考えつくされた、エンターテイメント的センス。こんなライフスタイルブランドが注目されそうです。

最後に一言。 製品は工場で作られ、

商品は店頭(出会いの場)で主張し、

ブランドは心の中で育まれます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です